ピータン 春節

 
 中国土産にピータンをいただいた。中華料理で食ったことはあるが丸ごともらったのは初めて。簡単に割って食べればいいと思っていたが、家内が泥がついていると言い出した。米殻もついている。なるほど、これはそのまま割るのはヤバイ。
 
卯年の飾り物

 パソコンで調べるとモノによって違うが、黄身は猛烈な アンモニア臭がするのもあるらしい。そのひとことで、クサヤを思い出してしまった。昔、Sちゃんが山小屋にクサヤの上等品を持ってきた。炙っているうちは 特に気にならなかったのに、一口入れもぐもぐと噛むと急に気持ちが悪くなり、外に駆け出し吐き出したことがある。中華料理屋では平然と食べられたピータ ン、今度は大丈夫かという不安が頭をよぎる。
 とにかく、「殻を割る前に水で洗え」とのこと、洗うと卵の殻が現れた。これで割りやすくなった。次いで茹で卵のように皮もうまく剥けた。匂いはほとんど 無し。包丁で切るとエメラルド色に変色した黄身、やはりアンモニア臭がする。しかし、そんなに強烈ではなく、しばらく放置するとかなり弱くなった。

白身と黄身

 白身はコーヒゼリーのように透明感がある。山陰・山陽の山間部でよく食べられている肉の煮こごりに似ていないでもない。これはガラスの器に盛るべきだ。確かに琥珀かなんかの宝石のようできれいだ。

まるでコーヒーゼリー

 黄身は臭いもあり、やや気味が悪い。そこで一計を講じた。化学的処理だ。つまりはこうだ。
  1.アンモニアは酸で中和させる。酸として酢を使えば酢酸アンモニウムになるはず。
  2.過剰な酸は、アルコールでエステル化すれば、酢酸エチルの果物臭が漂うはず。
 ということで、ピータンの黄身にリンゴ酢と味醂と味付けにワサビと醤油を入れペースト状に練るのだ。

 その結果、味はピータンらしさがかなり損なわれるが、なかなかのものだ。これを濃琥珀色のピータンの白身にかけてみた。なんといっても色彩が洋風だ。うん、味もいける。

完成!!

 ただし、ペーストが余ってしまった。豆腐と相性がいいとKちゃんが話していたという。そこで豆腐を さっと湯通しし、このピータン・ペーストをかけた。なかなかいける。色合いも、かにみそ風でよいではないか。ちょっと高級珍味に見えてきた。多分、酒に合 うのだろうと思いつつ、これをおかずにご飯をおいしくいただいた。

豆腐にも合う