牡蠣と山海菜の雑煮

 
 我が家では家内が旅に出ているときはチャングム料理の出番。昨日は久しぶりに、すき焼き風味うどんを作ることにした。いざ買い物に出かけようと思った ら、昼間あんなに晴れていたのに突然の雨。ならば、すき焼き風味餅に変更することにした。しかし、いつもの場所に置いてある餅が見当たらない。
 折りよくというか折り悪くというか、そこからはカップ焼きそばが1個出てきた。お湯を沸かせばすぐにできるとうインスタント食品の象徴でもある。香料会 社がこの焼ソバらしい臭いを苦労して作ったということも聞き知っている。しかし、家内がいない晩飯で、こんなものを食うのはチャングムのプライドにかかわ ることである。が、1個残しても娘との喧嘩の種になるだけ、第一空腹でもある。よって、とりあえずこれを食することにした。
 いとも簡単にできてしまった。しかも、かなりうまいではないか!! 空腹は最良のソースを実感した。それから、親戚からのいただき物、八朔を2個食った。腹は満足したようで次の料理を要求しなくなった。
 
謎の食材
八朔も新鮮なものがうまい 捜していた餅

  深夜、家内から電話があり、餅は涼しい安全な別の部屋に移動したとのこと、餅にとって安全であっても、篭城している私にとって、それは決して安全な行為だとは素直に思えなかった。
 餅の在り処がわかったので、今日のブランチは雑煮を作ることに決めた。ありあわせのもので作るのも知恵である。今晩めでたく家内が帰ってくるので最後の篭城生活。買い物に行き変なものを入手しないほうが小言が少なくて済むという効果も得られる。
 チャングムはその雑煮を「牡蠣と山海菜の雑煮」と名づけた。
 チャングムの料理は、一方では簡潔となることも心がけている。手間は簡素でも、どこかに唸りがあることも大切。「卷心菜」と「若布」がここで使われる山海菜である。それに「牡蠣」の佃煮が材料である。読み難い字がこの料理に豪華さを与えている。

牡蠣と山海菜の雑煮

 料理は至って簡単。全部が生でも食えるものだから、一緒に煮るだけである。その上に餅を置き、柔らかくなるまで更に煮る。下に菜をおくのは、餅が鍋にくっつかない工夫だ。煮えたら、味噌汁のように味噌を入れて出来上がり。
 ん〜、結構いける。 餅を入れつづけ、つい5個食ってしまった。その上、八朔も食った。餅は後で胃が膨れてくる。2個目の八朔は無理だ。今となっては、 胃が重い感じがしないわけではないが、篭城生活では餓死が最悪。胃が重いことは贅沢というべきであろう。

 
          卷心菜                                  若布

 
牡蠣の佃煮                               篭城味噌         .

 最後に、味噌は昨年I上さんが作ったものだ。確か五色ヶ原に行っている時、車庫に入れてままだったけど大丈夫かなと心配していたやつだ。何故か昆布が入っていて、出汁があわせてあるようにうまい。
 この篭城期間中、鍋を使わず、ワカメとこの味噌とお湯とで、毎回のようにうまい味噌汁をいただいた。逸品である。チャングムはこの味噌を製造者を超えて「篭城味噌」と名づけたい!!