2015 5/1
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ハンカチの木(5月)
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そこまで断定されると、少しムカッと来る。
例の薬草料理を食べにいったところ、玄関に面白い押し花があった。飾るだけあって面白い形をした花だ。尋ねると、ハンカチの木だという。隣にパネルにした木の写真が吊ってあった。これはどこか山で見たことがあるような・・・・・というと、きっぱりと否定された。
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ハンカチノキの押し花
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「これは中国原産の植物で、あちらでは標高2000mぐらいのところにある木、日本の山にちょっとある木ではありません。あなたの見たのは、間違いでしょう・・・」
確かに、遠目にはマタタビの葉にも似ている。それをハンカチの木だと思ったのかも知れないが、ひょっとしたら、マタタビだと思っていたものが、ハンカチノキだったかもしれない。
ハンカチノキというのは、そんなに希少種なのか・・・・・家で調べてみた。何のことはない。裏六甲のどこかの沢にあるらしい。それ以上に驚いたのは、意外とあちこちにあるということ、さらに、六甲森林植物園にもあるという。花期はGWの頃。ならば、ぜひ観たいものだ。これまで何度かここを訪れているにも係わらず、そのことにまったく気づかなかったのだ。
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満開のハンカチノキ
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旅から帰って、植物園のHPを見るとちょうど花盛りとあった。例年より早いらしい。早速、家内と出かけた。ツツジ・石楠花園も花盛である。
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フジツツジ
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キリシマツツジ
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 シロバナウンゼン
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ミヤコツツジ
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いろんなツツジがあるが、覚えられない。シャクナゲとの違いがわかるぐらいである。
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シャクナゲ
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あった!! 聞いていた通り、ツツジ・シャクナゲ園にあった。しかもよく育っていて大木である。そして、その風情から、ひと目でハンカチノキというのがわかる。花というより葉っぱといわれれば、そうであるとも思ってしまうような花がフラフラと揺れていた。
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ハンカチノキ 葉っぱのようにも見える花
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押し花で不思議に思ったのは、花の構造なのだ。写真で白く見えるのは、花びらでもがくでもなく「ほう(苞)」であるという。桜の花では「花びら(花弁)」、「がく(蕚)」、「ほう(苞)」が次の図のようになっているらしい。
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サクラの花の構造
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「がく(蕚)」は、子房となる部分を押え、「ほう(苞)」は、元来つぼみを包んでいた葉だという。一般的な花の構造で表わすと次のようになる。
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花の構造
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ハンカチノキがさかさまに咲いているので、天地を逆にして見ないとだめなようでである。満開のときは雄蘂が邪魔をして花の構造がよく見えない。球形の雄蘂の右下に角のようなものが雌蘂であろうか・・・
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満開時の花 5/1
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数日後、同所を訪れた高村さんからメールが届いた。もう花がおわりだったとのこと。しかし、良く見ると雄蘂が散っているだけに花の構造がわかる写真だった。雌蘂と雄蘂は良くわかるが、花弁や蕚は痕跡程度あるのかないのかまではわからない。それは専門家に聞くしかない。しかし、つぼみを包んでいた白い大きな苞がいつまでも花を見守っているようで、現代の親子関係を見ているようで何とも切ない気がした。
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雄蘂が散った花 5/5 (撮影:高村さん)
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宇野さんからもメールが届いた。毎年出かけているが、今年は4/29と5/3に見に行ったらしい。4/29は咲き始めで、5/3は満開だったが、ハンカチの木のアップの写真はダメだったとのこと高木の写真はなかなか難しい。
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最盛期のハンカチノキ (撮影者:宇野さん)
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ツツジ・シャクナゲ園にあるハンカチノキは高木であるが、天津の森のは低木である。低木であるので観察しやすかった。
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天津の森にあるハンカチノキ
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今回の主目的は「ハンカチノキ」を見ることであったが、それ以外にもいろいろな木が花を着けていた。
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リキュウバイ
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シジミバナ
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ウンナンロウバイ
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中でもうれしかったのは、メギの花に会えたことだ。メギ科にはイカリソウ、トガクシショウマ、サンカヨウなど私のお気に入りの花があるが、科名となっている肝心のメギの木の花をまともに見たことがなかったからだ。こんなに小さな花だとは思わなかったが、小さいだけにほとんどがピンボケになってしまった。花もほとんど散っていたので、来年はこれを見に来ることにしよう。
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メギ
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おしまい
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