藤井直樹 秘蔵写真

介護登山(燕岳、大天井岳、常念岳へ)


 いよいよ介護付で登るお年頃になり、介護人の嫁と燕岳、大天井、常念と本軟弱登山に行って来ました。

槍ヶ岳

 琵琶湖一周が効いて軽度腰痛が治らないまま、BS天気では安曇野、小谷地区は8/3日(月)から8日(土)まで通しでam晴れ、pm雨の予報なのと、燕山荘も4日が一番混んでいないとのことにつき見切り発車。要介護らしくせねばと、ついに1本杖デビュー。
8/2〜8/6間の動く天気図を見る

 
燕岳


 8/3日:穂高・しゃくなげ荘に無料駐車。そこから中房温泉行バスで有明荘泊。部屋から合戦小屋まで荷揚げしている索道が見える。
 
ウサギギクタカネツメクサ


 8/4日:朝、フロントに昨晩腰痛が出かけた、燕山荘でこれは無理となったら合戦小屋までなんとか下りてくるので、有償で索道経由ザックだけでも下ろしてもらえないかと打診してみたが、駄目。むしろ登りにザックを上げて欲しいとの要望がかなり多く、全て断っている。
 荷物専用に認可を取っているので人は乗せられないが、変な話死体になれば乗れますよと言う。そこまでは考えてなかったなと呟いて退出。
 兎も角行ってみることにしたが、介護人が水2g全て担ぐと言うので面目なし。水源が濁っていて、蛇口の生水は薦められないと言われ、試してみると硫黄味がひどく吐き出す。北アまで来て、自販機のフランス水を担ぐはめに。杖にすがって7年ぶりの合戦尾根を行く。 

燕岳からの鷲羽岳

合戦小屋:名物の西瓜は1切れ消費税込み800円。7年前と変わらず良心的。  

合戦小屋名物スイカ

 燕山荘:昼に着き早かったせいか、うんと奥の別館に案内される。トイレは最新式に改装されており快適。
 部屋は上下2段の蚕棚式で極小畳3枚ごとに仕切り。3畳?に煎餅敷き布団3枚、寝袋4枚、枕6個。土曜日は寝袋が6枚だった由。

燕山荘

 同室4名:東京の60代夫婦。ご主人はホモ・ハビリス的額骨でごつい体格。話し好きで色々と質問される。索道の話をすると奥さんに「仮死状態だったら乗せてくれるのかしら」と真顔で聞かれ、その手があったかと嬉しくなる。旦那がこの山が一番好きで何回も来てると言うと、奥さんが着いたらすぐに生ビールを半端じゃない量飲むのが楽しみで来てるのよと解説。
 
コマクサ

 最初登った夕食時に荘オーナーがアルコールは3000mを越えると3倍効いて危険、ここは2700なのでどんどん飲んで大丈夫と言われ、しこたま飲んだが山用ビールは特製なのか確かに効かないと言う。
 奥さんによれば飲み過ぎでこれまで2回下山時に脱水症状になり、へなへなと道に崩れてしまって、起き上がれなかった由。二人とも生まれは高知市と分かって納得。
 
夕映え

明日は大天井へ


 8/5日:昨晩は煎餅布団の端が畝状に盛り上がった2枚の間に寝るはめになって腰が不調、蚕棚へ入ろうと屈んで軽腰痛。  

餓鬼岳方面を望む

 同室のご主人に明日はどこまでと聞かれ、大天井ヒュッテ泊と答えると、2時間半行程じゃないですか、大名登山ですな、誰かに聞かれたらちょっと槍方面までと答えた方が良いですなと笑って言われてたのだが、山小屋は腰に悪いと分かって、1泊飛ばして常念小屋まで直行に変更。最短の大天荘経由とし、そこからヒュッテをキャンセル。携帯が繋がるのが実にありがたい。



 燕山荘と同経営だけあって、大天荘は外トイレも綺麗。@100。

大天荘

 常念小屋:20人の大部屋。小畳1枚に寝袋1枚。連泊の夫婦の話では昨晩は倍詰め込まれた由。隣のご夫婦がいかにも上品で、夕食も隣になったこともあって 色々話す。

常念小屋

 奥様から古希と喜寿の夫婦との名乗りがあり、奥様もつい最近までどこでも登れ、どこでも寝られたのが急に衰えて来たので、これが最後かもと中房温泉から登って来たとのこと。


 奥様のリュックは2kgにしてもらい、喜寿の方が全て担いで8Kg。ご主人は40年以上前に東京から汽車で立山春スキーに毎年行っていて、結婚式前に雄山直下でスキーを1本折ってしまい、滑れる所は1本で、後は歩きで遅い時刻に雷鳥荘へ辿り着いたと言う。


 昨年その辺りでスキーヤーが雪崩で亡くなった所じゃないですかと聞くと、そうです、TV、新聞で見ました、無謀でしたと。結婚式でその話が暴露されて初めて知ったが、死んでたらこの結婚は無かったと奥様が言うと、ご主人はごく謙虚・真面目に死ななくて申し訳なかったですねと応える。


 雨だったのが急に晴れて部屋の窓から槍・穂が見え出す。


 ご主人がデジカメを取り出して外へ出かけると、奥様が夫はPCに画像を取り込むとか全く出来ない人で、どうしても理解出来ないのは結構苦労して写真を撮るのに、それを本人は一度も見たことが無いこと。文系の方なんですねと聞くと、いやいや完全な理系で理論物理学者です、実験とかは全く出来ない人ですけどと言われびっくり。


 どうも悠揚迫らざる大人物の気配がするはず。
 奥様も旦那にザックから何か取ってもらったりすると、「ありがとうございます」と必ず言うし、どんな家庭なんだろ。小屋で沈殿してても退屈しないな。


 明日は下山

 6日:理論物理夫妻が遠慮しながら4時過ぎに起き出す。常念をピストンして戻ってから朝食と聞き、その手があったかと、我が家も急いで準備。


 快晴・ご来光。

槍ヶ岳

 暫らく登ると夫妻に追いつき、先に行く。頂上から大キレットの間に白山遠望。直下に座っていると夫妻が登って来て、思わず嫁が拍手。奥様も昔春スキーで何度も行ったという立山を二人でじっと眺めていた。

常念からの立山・剱岳

 事故:昨夕6時半頃下の玄関が騒がしい。登山者が常念山頂で過呼吸で動けなくなっていた女性を5時過ぎに発見し、義務感で通報に来たと言ってる模様。小屋は勝手に対応出来ないので警察に相談するとの応答のみ。翌朝スタッフに野次馬すると、蝶ケ岳から縦走の62歳単独行男性。小屋から二人出して、20:30に無事下山させた。隣接の信大診療所に対応してもらって無事。原因は聞いてない。他にも食堂で嫁が話した女性は転んで腕を骨折、信大の先生が形成外科だったので、ちょうど良かったと言ってた由。

大切戸

 教訓:今後小屋泊まりは診療所併設の所を選ぶべきと悟る。燕山荘のヘリ画像も隣接の順天堂大診療所の先生他3名が交代の為降り立った時のもの。今時は歩いて登って来ないようだ。


 下山:常念小屋にヒエ平登山口までタクシーを依頼すると、ヒエ平という地名はなく、一の沢と言わないとタクシーは分からないと言われる。地図にはそう記されているのだが。登山口〜しゃくなげ荘4400円。大町温泉郷泊。

常念岳


 7日:腰痛がどうも危ないので500Km運転を危惧して湯治追加。時間潰しにこれまで無視してた五竜高山植物園へ行ってみる。葛温泉は大町温泉郷の上流で、葛から大町に地下パイプで温泉を送っていると分かる。
 貸切状態で露天に行くと噴水の周りをヤンマがくるくる回っている。浸かってすぐ手の甲に鋭い痛み。オロロが噛み付いており、周りにもいるいる。直ちに潜水脱出。ヤンマはオロロが好物なのかな。 

葛温泉・高瀬館

 高瀬館:中部山岳国立公園内にあるので古女将に聞いてみると。葛温泉は江戸時代からあるが、温泉宿としては高瀬館が最初。
 元々烏帽子、野口五郎小屋を経営の一族で、当初は宿はなく、川原側に小屋を建てて、米などをストックして烏帽子・野口五郎に上げていた。営林署の人などが小屋を利用していたが、流されたので、今の場所に温泉宿を建てた。昭和の登山最盛期は宿の前を絶え間なく登山者が通ったり、雪山遭難時は救助隊が80名も泊まったりしてた。





















 






















                                             おしまい


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